8B8 差動アンプ(2)
<改造前>
<改造後>
元は8B8ppでした。これを差動アンプに改造することにしたわけです。
そもそも、私の自作アンプには差動アンプは1台もありませんでした。
関西で熱心に差動アンプを研究されているT氏のアンプを何度か聴かせていただき、また最近関西に移住されたS氏宅を訪問する機会があり、差動アンプを聴かせていただきました。
差動アンプには、これまで自作したアンプとはまた違った良さがあり、特に繊細な音の響きは特有な美しさがあります。
ということで、私も自作してみようと考え、手始めに上記の8B8ppアンプを改造することにしました。
改造するにあたって三つこだわったことがあります。
1、普通、差動アンプの定電流素子には半導体を使いますが、ここに真空管を使う
2、同じ8B8が沢山あるので、使う真空管は全部8B8にする
3、アウトプットトランスを提供していただいたArito’sAudio Labさんの使用例としてのサンプルアンプとなること。
そのようにして検討して作成したたのが以下の回路です。
上が増幅部、中が定電流部、下が電源部になります。
同じ8B8を8本使います、電源トランスはpp用に特注したものでB電流はこのままでもよさそうですが、8B8ヒータ巻線が4本分しか取れないため、別に8Vのトランスを追加しました。
元のppアンプではダンパー管で整流していたのをシリコンダイオードに変更、これは追加した8V用トランスの取り付け場所確保のためでした。しかし、あとで考えるとダンパー管整流にしておけばオール真空管方式との謳い文句となったが、場所確保のためやむを得ない処置でした。
増幅部は普通の差動アンプの構成ですが、定電流部は初段用に三極部を、出力段用に5極管部分を使います。(ここを半導体素子を定電流部に使えばもっと簡単に構成できます)
B電源部は増幅部に+240V、定電流部に-240Vの電源が必要になります。そのほかは取り立てて変わった部分はありません。
このような回路は初めてなので、事前に実験して動作を確かめるためppアンプの4本構成のままで予備製作しました。
<続く>