21GY5(T) OTL の製作(13)
出力管21GY5のバイアス電圧の取り方の実験
出力のDC漏れをカットするリレーを取り付ける前に、回路的にDC漏れを少なくするバイアスのかけ方を検討しました。(細かなことかもしれませんが実験します)
何故このようなOTL-PTL方式にしたのか、といえば、これには先達があり、著名なのはマコフスキーや加銅方式があります。
当方もこれまでにOTL-PTL方式を3台製作していますが、これらは、出力のDC漏れを避けるため片電源方式を取り、出力をコンデンサーでDCカットしています
今回製作したのは実験アンプですが、OTL-PTLには次のメリットがあります
➀PT,CH,OPTなど高価な部品を使わない(鉄心レス)
②軽い(高齢になると特にこの点が魅力!)
③AC100Vが直接電源になるので電源レギュレーションが良い
④音が好み(単に私好み)
その代わりデメリットもいくつかあります
➀大容量大型ケミコンが必要となる
②8Ω直接負荷を想定するとアンプが大型になる
③一般に球数が多く、回路が複雑になり、配線量が増える
④消費電力が大きい割に得られる出力が小さい
⑤必要なDC電源電圧はすべてAC100Vから作成しなければならない。
このアンプの場合
・AC100V単一電源、・LR共通電源、・接地型電源、
という方式になっておりDC漏れが発生しやすいのです。あえて、なぜこの方法にしたのかといえば、これは、上で述べたメリットもあり、AC100Vラインから直接電源を取れるようにと考えて採用したものです。(ステレオOTL-PTL方式)
しかし、出力に過大なDCもれがあるとスピーカーをとばしてしまう恐れがあります。
このDC漏れは電源スイッチON/OFF時に特に顕著に出ますが正常動作状態では漏れは少なくなります。
このDC漏れを防ぐためにリレー接点を通すか、コンデンサーを通せば防ぐことができますが、その前に出来るだけDC漏れが少ないバイアスの取り方を確認してみました。
(注:真空管OTLでは電源をL/R別の非接地式にするか、片電源方式で出力をコンデンサーでDCカットすれば、DC漏れはありません、また、半導体アンプでは一般にリレーが使われています)
図:バイアスのかけ方参考図
これまでは②ー3にしていましたが、実験の結果②ー1に変更しました。
<参考>
電源をAC100Vから直直接取るかわりに、LRに各1個の絶縁トランスを使い、電源をLR別にすればDCもれは少なくなります、
また出力をコンデンサーでDCカットすればDCもれは発生しません。
さらに絶縁トランスにAC120V出力のものを使えば出力増加が期待できます、この場合ヒータはAC100Vから点火します.
絶縁トランスを使う場合は300W以上の絶縁トランスが2個必要です、
このアンプを実際に使う場合は絶縁トランス1KVAを通します。これは他の接続機器に影響を与えないためですが、機器のAC100Vの極性を合わせて使えば影響はありませんが、毎回確認する必要があり、万一うっかり間違うと他の機器を壊す恐れがあります。
さて、このアンプのメリットとは何か?