古いLUXKIT A3500 の修復(7)
古いアンプは何が起こるかわからない!
(6)で完成報告をしてこのブログの連載を終わりましたが、後日談です。
ほぼ毎日通電エージングをしながら試聴していました。もう良かろうと思っていた矢先のトラブル発生でした。
私のアンプエージング方法には2種類あって
➀長時間連続運転する
②2,3時間ごとに電源を落としてアンプを一旦休め、再度通電する、これを繰り返す。
この両方を併用してエージングしますが、新作アンプの場合は出来上がった後は長時間連続運転(1日8~10時間ていど)して様子を見て、後は通常聞く2~3時間ごとに電源を一旦落として1時間ほど休め再度電源を入れる、これを1日2~3回繰り返す。ほぼ1週間ほど➀②を繰り返して別段の異状がなかればエージング終了とします。
エージングは部品を馴染ませる効果や初期異常の発生を防止します。
この古いA3500の場合も同じようにエージングを始め4日ほどになったのでもう良かろうと思っていた矢先のことでした。
この日も朝から通電し、昼に一旦電源を落とし、15時前に電源を再投入しアンプのそばを離れ、工房に移動したとたんにスピーカからブーンと大きな異音が・・・
慌ててアンプのそばに戻ると、1本のEL34が赤くなっているではないか!
すぐ電源を落とした、がこの間約1~2分の出来事。
赤くなったEL34を見ると既に管壁が少し黒ずんで焼けているではないか!。
すぐに調べてみると5Aの電源フューズが飛んでいたが、PT、OPTには異状なかったのは幸いであった。
写真:写せていないが左端のEL34が赤熱した
調整時に使っていた別の松下製EL34に交換して電源投入、異状なく動作、バイアス調整したが別段の異状は見られない。
あれこれと検討したが、スベトラーナ製EL34の初期不良ではないかと考えられるので購入したTS社へ状況を話して交換依頼した。
FACEBOOKでこの状況を掲載したところ、YS氏のコメントがあり、古いソケットのはんだ付け不良があるのではないかとのアドバイスをいただき、すぐできるはんだ付けはやり直したがはんだ付け不良は見当たらなかった。
次の疑いはソケットの接触不良、元からついていたソケットをそのまま再利用しているのでこの点は残る、また、バイアス調整VRもそのまま再利用しているので接触不良の可能性も残る。
昨日朝、交換のEL34が届いたのですぐに交換、バイアス調整して修理完了、今日の来客に備えた。
来客は愛知県からお越しいただいた、LUXアンプに精通されたNS氏、88歳という方だからさらに驚き!。
聴いていただいたところ大変好評であった。
一安心です。
後日のトラブル防止のため。USソケットとバイアスVRは新品に交換しようと思う
修理内容によって元のアンプより修理代は高価になることもあるが、新品部品に交換するのは見識も技術も要する、
メーカに修理を頼むとおどろくほど高価になるのはうなずける。
教訓:古いアンプは何が起こるかわからない!
これで蛇足の報告を終わります