真空管アンプ製作

真空管アンプの自作記事です

6L6GC(T)ppの修復 (8)

6L6GC(T)ppの修復 (8)

途中を省略しましたが、後日投稿予定です。

 

 試聴中

第一声は、ありゃ?という感じであったが時間がたつにつれ調子良くなってきた。

依頼者はジャズ系の音楽をお聞きになる方の様だからもう少しパンチがあるのが良いかもしれない、

測定データから音の評価はできないが特性の改善すべき点が分かる。

 

出力管は依頼者提供のロシア製6P3S(6L6相当)に,

整流管を5AR4に交換している

 

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ERAアダプターで連続測定

調整中に他の測定器で確認しているが、連続測定するとグラフ化されるので結果が良く分かるようになる

 

測定風景ー1

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測定風景ー2

アンプ前の四角い箱がFRAアダプター、左の黒いのはダミーロードと出力メータ

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測定データ

このアンプに使ったハモンドOPTは生産時期が違うのか、LRにかなりの違いがある。これは調整中にもわかっていたことだが、グラフ化すると明らかに違いが分かる。

 

➀LRCH 周波数特性(0db)

低域はまずます、高域はかなり様子が違う、高域補正しましたが、方形波観測ではオーバーシュートが見られます。

10Hz~40kHzではほぼフラットなのでまずまずか、しかし高域の落ち方が?ハモンドOTPはこんなものかな?

 

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②LRCH DIS 1000(LRCH1kHz歪率比較)

通常使用する0.5~1W付近では0.1%以下と低歪率だが、6W以上ではかなり様子が変わってくる、通常は茶色のLCHの様な曲線を描くがRCH(赤)は急激に悪化する

 

 

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③LCH 歪率特性 周波数 100 1000 10000 別 

100,1000Hzは良くそろっているが10000Hz(黄)はかなり悪化する、高域NF 減少の様子なので補正の掛けすぎ?下のRCHでは、カーブは変だが出力はほぼ同じように出ている

 

 

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④RCH歪率特性 周波数 100 1000 10000 別 

出力5Wあたりまで0.1%以下の低歪率で推移するが、5W以上では急激に悪化する、原因未追究だが、6AN8の直結に問題ありか?10000では悪く見えるが6.5Wあたりまで1%以下である。

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⑤RCH 入出力特性 (Lは省略)

これは問題ないが0.8Vからクリップが始まるので入力感度はこの程度か使いやすいが

NFBは12db、少しへらしても良いかも

 

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全体にRCHのデータが少し問題ありだが、調整時に6AN8を交換してもこの傾向は変わらなかったのでOPTによるものかと思われる。

 

再度工房へ持ち込んで検討しよう。