★覚えている間に投稿シリーズ★
今回から数回にわたって故Mu氏から伝授された「QRPアンプ」を投稿します。この「QRP」というのは無線用語のようで「機能を落とした」という意味の様ですが、ご存知の方があれば教えください。
故Mu氏のアンプは彼の見かけの優しさからは想像できない超マニアというべきか、奇想天外ともいうべきか、とにかくアンプビルダーとしては異端(外道アンプビルダーと自称)という存在の人物でした。惜しむらくは数年前に突然逝去されてしまいましたが、教えを受けたものの一人として同氏を偲んで、手ほどきを受けたQRPアンプをご紹介します。
①「6082QRP」
最初に手ほどきを受け製作した「6082QRP」です。これを一言で簡単に言えば「24Vで働く真空管アンプ」です。
最初に回路の概略を説明しますと
使用球6082は6080のヒーター26V管です。
電源は24Vスイッチング電源を使い、これでEb:24V、ヒータ:24Vを供給しています。
入力はインピーダンスは8Ωでこれは、スマホなどの携帯機器のヘッドフォン出力を想定して、小型pp用OPT:ST-32をin-out逆に使っています。
ST32の出力信号をトランジスタで6082をドライブしますが6082から見ればg1プラスバイアス領域で振っています。
出力部は6082をプッシュプルで使い小型OPT ST-60を介してスピカに出力します。
回路図:この回路図がQRPアンプの基本型になります
6082の代わりに6080や6AS7Gを使っても同じようにできますが、この場合は、別にヒーター用6V電源が必要です。
投稿に当たって試聴してみました。
最大出力は約250mWだったかな、こんな小出力でも
IPod出力で小型スピーカーから十分な音量で出てきます。音は聴いてのお楽しみにしてください。
右はスイッチング電源24V4.3A、ヒータ6.3V球の6080や6AS7Gを使う場合は別に6.3Vのヒータ用トランスを付ければよいが、5Vスイッチング電源でも動作する。
配線は雑!。
基板にST-32やトランジスタなどがついている。最初トランジスタなどは真空管ソケットピンに直接つけていたが、真空管の熱でトランジスタがダメになるので基板に載せ替えた。