真空管アンプ製作

真空管アンプの自作記事です

26HU5×8 80W/8Ω モノーラルOTLアンプの製作(2)

26HU5×8 80W/8Ω モノーラルOTLアンプの製作(2)

写真:製作調整中の1台、排熱効果を高めるためガラス筒を付けている

出力段8本、増幅段8本、計16本の真空管を使った

 

真空管OTLに使われるTV用大型水平偏向出力管の種類

TV用大型水平偏向出力管(最大プレート損失~40W)としては「26HU5,26LX6」「EL/PL509,6/40KG6A」「6LF6」「6/26/36LW6」「6/30/40KD6」「JJ-EL509S」

等がOTLによく使用され雑誌等にもしばしば発表されている。

この中で現行生産されているのは「JJ-EL509S」のみと思われるが、他は当時に生産されたものが市場に出回っている。国産球としては松下製「EL/PL509,6/40KG6A」と東芝/NEC製「6/30/40KD6」がある。

 

OTL用出力管についてはこのページを参照」

OTL Tube (asahi-net.or.jp)

 

26HU5の特性測定、測定器は「etracer」


26HU5(T)の特性例

 

TV水平偏向出力管「26HU5」について

「26HU5」は最大プレート損失33W、ヒータ電圧26VなのでAC100Vから点火に都合よく、ベースがUSソケットなので使い勝手が良い球で製作例も多い。

当方もこれまでに「26HU5」を使ったOTL製作としては

①フッターマン型26HU5×4×2 OTL-PTL

②宮崎型26HU5(T)×6×2 OTL

があるが、最大出力は30~40Wクラスであった。

 

写真:シャーシ穴あけ加工中

 

今回製作するのは最大出力80W /8Ωクラスの大出力OTLアンプで、26HU5を8本使うモノラルとするが、これまで製作したアンプから比較するとかなり難しいアンプとなりそうである。

したがって今回の設計製作にあたっては以下のことに留意した。

①モノーラル2台構成とする

②出力管26HU5の選別

③発振対策

④最大出力時の電圧降下を少なくする

⑤排熱対策

⑥メンテナンス性

⑦長時間使用の安定性

⑧常備の真空管や部品の活用

 

これらについて簡単に説明を加えると

①モノーラル2台構成とする。

1台のシャーシにステレオで組み込むと大きく重くなって製作が困難になる。しかもこのアンプは移動性・運搬性もよくする必要があり、樹脂製コンテナに入る寸法と重量にしなければならない。そのためモノーラル2台構成にし、シャーシの大きさは W:300 H:450 D:70 とする。