真空管アンプ製作

真空管アンプの自作記事です

ETONE 6336A OTL の修理

ETONE 6336A OTL の修理(3)

#6336A OTL

改造方法を考えました。
6336Aにあまり複雑な改造をするのは避けて


1.上側球のバイアス電圧が固定されているのでVR調整をつける。できれば、上下同時にバイアス調整できるように2連VRを使うとより簡単になる。

...
2.カソード側に5W1Ωの抵抗を入れる。


3.球が8本あるので特性を選別し、適当な組み合わせを見つける。

 

と言うことで、球の特性測定から始めます。

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 6336A の選別をします。

実使用状態で、Ipを測定します。

...

測定条件

Eb=175V
Eg1=-50V

Ip=?

1本に約30分かかります。

最初の1本は
56mA、60mAと良く揃っています。

 

#6336A OTL

6336A の選別と組み合わせ

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測定結果

A:59/62mA(ユニット1/2)
B:72/69
C:75/66
D:50/54

後の4本の内
1本は時間経過と共に片ユニットの電流過大100mA以上になるので除外
他の3本はまるでダメ

で、上記のA B C Dが生きていた。

この4本を最適に組み合わせます
A:59+62=121
B:72+69=141
C:75+66=141
D:50+54=104

141がB C 2本あるのでこれをLR上側に、
A、Dは下側につかいます。
組み合わせは
A+B=262
C+D=245

AとDは下側に使い、バイアス調整で上側と電流バランスがとれるようにします。

一先ずこの組み合わせで、実機テストします。

念のため確認しますが、この4本は2つのユニットが比較的よくあった球ですが、球間ではバラツキがあります

2ユニットの電流合計値が合った4本が揃うと理想的ですが、通常はバラツキがありますので、出来るだけ近いものをつかいます。

このアンプの場合、6336A1本づつが、上下に使っているので、LRの上側には電流合計値の揃った球を、下側はバイアス調整で、合計電流値になるようにします。

一旦この組み合わせで、様子をみます。
改造の必要性があれば、次の対策をとります。

 

いろいろ試したところADを下に、B Cを上に使うのが良さそうになりました。

Ip=120mA(60mA/ユニット)
+EB側200V
-EB側180V

となり+-電圧差が20Vと最小で、かつバランスゼロとなりました。
他の組み合わせでは+-電圧差が25V以上になります。
6336A のEbがLR共通なので、シ-ソ現象を起すので、+-の電圧差は避けられない

 

6336A プレート損失は
+側24W(12W/ユニット)
-側22W(11W/ユニット)
アイドリング時は、最大プレート損失30Wに対して40%、37%とまずは大丈夫

しかし、Ebが高いのは下げられないので気になるところではある。

 

1時間ほど安定に動作しているが、
6336A の長期安全性を考え、矢張りカソード側に5W1Ωをいれよう。
最大出力は多少犠牲になるが、球の暴走防止や、スピーカーを保護する方が大事と考えて。

 

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