13E1 OTLの製作(改造3)動作チェック
昨日に引き続き改造作業を進めます。OTLアンプの調整はゆっくりのんびりするのがコツです。
今日はバイアス回路の変更と通電チェックです。
バイアス回路は7242用に-25V付近に調整できるようになっています、これをー50V付近になるように変更します。
改造が終わり、概ね以下の様な手順で順次通電チェックします。
このアンプは動作していたアンプを改造したものですのですから、動作チェックすることになります。
①電源トランスの電圧確認
慎重を期するため、一次側電圧をスライダックで10Vにして、電源トランスのところでトランス端子の各電圧を測定し既定の1/10の電圧が出てるかどうかを確認、だいじょうぶであれば、AC100Vまで上げて各端子に規定電圧が出ているか確認する
②真空管のヒータ点灯確認
電源トランスのところでヒータ以外の線は片方を外して働かないようにしてヒータ配線のみを働かせて、変更した12.6Vで点灯する13E1と5965A、次に変更していないその他の球を差し込みヒータ点灯テストをします。
③バイアス回路チェック
球は全部一旦外してバイアス回路の電圧確認をします。先に外したPTのところでバイアス回路の配線2箇所を接続し、バイアス調整VRのセンターと他方にテスタをつなぎ概ね両VRセンターで約50Vになるか確認します。一旦電源を落とします。
③出力管13E1の動作チェック(DCバランスチェック)
PTの主電源端子を接続しB電源を働くようにし、出力段の5965Aと13E1を差し込みます。出力端子に16Ω負荷抵抗をつなぎます。
チェック用電流計スイッチをオンにしてから電源スイッチを入れます。約1分30秒後にタイマーが働きB電源が造作し13E1が働き始め、電流計がおよそ250mA(200~300mA)を示します。二つのバイアス調整VBを回して250mAに合わせます。バランスメータスイッチをONにすると概ねセンターゼロ位置にありますので、二つのVRで電流計が250mA、バランスメータがゼロ位置になるように何度か繰り返し合わせます。15分ほど安定を見て一旦電源を切ります。
④増幅段のチェック準備
ここからは測定器をつないで調整します。発振器、歪率計、電子電圧系、オシロスコープを使います。
増幅段の球を差し込んで全体のチェックをします。入力VRをゼロ落ちにして、入力端子に発振器からの0.1V/1KHzの信号を入れます。
出力に負荷抵抗16Ωをつなぎ、負荷抵抗の両端にオシロ、歪率計を接続します。
準備ができたらアンプの電源スイッチを入れます。
⑤増幅段のチェック(ACバランスチェック)
DCバランスが取れていることを確認すればアンプは動作状態になっています。
入力VRを徐々に回して信号入力を増やしていきます。
負荷抵抗16Ωの出力電圧が約3V(出力約0.5W)になるよう入力VRを上げてゆきます。
歪率はおよそ0.2%を示します。この状態で数分間動作を監視します。
その後入力電圧を増やして出力電圧を4V(1W)にします。ACバランスVRを回して歪率が最小になるようにします。歪率はおよそ0.1%程度を示します。
最大出力を測定するのは通電後1時間程度経過してからにします。入力電圧を徐々に上げ歪率が3~5%になるときの出力電圧が最大出力となります。
このアンプの場合約AC20V(25W)となります。
これで概略の特性チェックができました、あとの測定は必要に応じてします。
本アンプの場合は既に測定しているので省略しました。
13E1は7242や6C22Cと比べて電流が流れにくいので最大出力は少なめになりました。
ガラス筒を用意して通風を良くし13E1の放熱をしています。
測定チェックが終わりましたので再生ラインに繋いでエージング司直します。
L側が13E1の本機、R側は未改装の7242です。
次はR側の改造をします。