2A3C SRPP OTL の製作(4)
このアンプはこれまでにもろもろの改造手術を施して、嫁入りした先輩「6C33C OTL」に代ってメインアンプの座に就きました。
写真:今年の4月中頃に撮影、並み居る大型アンプを従えています。
このアンプの良い点は音もさることながら発熱量が少ないことで、これから夏場のOTLとして活躍します。ただし室温が28度以上になれば人間の方が熱中症になる恐れがありエアコンを使うか、アンプ自体を使いません。
今この席は「7242 OTL」を改造した「13E1 OTL」が一時座っていますが、いずれ「2A3C SRPP」 に置き換えます。
特性測定
このアンプは製作当時から測定していないので、今、どのような状態(特性)になっているだろうかと、この投稿に合わせて昨日R側を測定しました。この自動測定は正直に特性が計れるので、果たしてどうなっているだろうかと気にしながら。
測定風景 Discovery+FRA ADAPTER+主力計(8Ω)+PC
測定結果:周波数特性と歪率測定のみ
①周波数特性、通常の10Hz~100kHzの範囲は綺麗な曲線を描く
②出力歪率特性
周波数別の歪率がほとんど同じ、最大出力16Wとすれば2A3C1本当たり出力が4Wなので、4本ではA級シングルアンプの約4倍と相応なところかな。
駄説ながら・・・
測定では音の良し悪しはわからないとの話があります、これはアンプだけで考えれば、複雑な音楽信号波形と単純な測定用連続サイン波形とではアンプの動作に微妙な違いが生まれ、判断基準のあいまいな「音の良し悪し」という人間の感性的な表現は測定ではわからない、ということでは無いかと思います。
しかし、特性を測定してみると変な凹凸を発見したり、発振を発見することがあります。そして発振直前の音が良いように感じたり凹凸のある特性や低い音や高い音が強調される音が耳に心地よく良く感じることもあります。(いわゆるドンシャリ音)
このFRAによる自動測定をすると測定者の作為的な意向や、えこひいきがはいらないので装置の健康診断をするには丁度良いと思いますが、最後は耳で聴いてあいまいで千差万別な「音の良し悪し」を判断することはもっとも大事なのは言うまでもありません。
しかし、自作者は、自分の労作アンプはそれだけで(よくも悪くも)バイアスがかかっており自己満足の世界に陥りやすいものです、調整時の特性が良いと(仮にこれを低歪率広帯域とすると)私の場合は製作完成直後の第一声を聴くと、まさにそのような状況に陥りますので注意すべきことと思っています。
結果、この「2A3C SRPP OTL」は、音の良さや好みを勉強する良い機会となりました。