Technics 20A 擬き OTLアンプ「M-20A」(7)
配線チェック
組立配線が終わりましたら、誤配線や配線抜けなどを入念に点検します。私の場合は配線時間が細切れになっていますので、配線が抜けてるところがよくあります。またダイオードやケミコンなど極性がある部品は極性も確認します。
電源トランスからのつなぎこみは電気を入れながら必要な部分から結線してゆきます。
電圧チェックはスライダックとテスターを複数個用意して万全を期します
OTLアンプの通電、調整はゆっくりのんびりやるのがコツです、慌ててやらないようにしましょう。
通電テスト準備
通電にはテスターを複数個、AC100V用スライダックなど準備します、真空管アンプの通電チェックにはこのスライダックは不可欠ですが、簡単なシングルアンプであれば、スライダックが無くても配線点検を十分すれば大丈夫ですが、複雑なOTLアンプには必需品です。またテスターをたくさん用意しておくと数種類ある電源を一度に確認ができますので便利です。
通電テスト
いよいよ通電テストです。アンプの自作には、この時が一番緊張するところです。
テスターを要所要所に繋いで一度に電圧確認できるようにします。右上の大きいテスターはその他の電圧チェック用です。
テスターに白いラベルが貼ってあり、必要な電圧が分かるように書いて貼ってあり、間違いを防ぐようにしています。
PTはあらかじめ先に電圧チェックしておきますが、このRコアPTはリード線式なので1か所つなぎこんで確認し、そして次のところをつないで確認しながら進めます
安全のため、フューズは小さめの2~3Aを使い、最終的に真空管を差し込んで使うときに規定のフーズに交換します。
最初は電源部からチェックします。概略の手順は以下の通りです。途中経過の詳細は省略しますが、このアンプの電源は、+-主電源、スクリーン電源2個、バイアス電源2個、増幅段電源の7電源あります。通電の順序に決まりはありませんが、バイアス電源、主電源、スクリーン電源、増幅段電源の順が良いでしょう。貴重な部品を壊してしまわないように慎重に行います。
具体的には、例えばバイアス電源の確認は以下のような手順です。
PTの必要なリード線を結線し、スライダックをゼロからAC10Vに徐々に上げながら必要なDC電圧の1/10が出力されているかを監視します。
このように全部の電源を1/10電圧で1か所ずつ順次通電してゆきます。変な電圧であったり、電圧が出なかったりする場合は配線を点検します。
全部の電圧がAC10Vで確認できれば、必要なところにテスターをつないで一度に全電源電圧を監視できるようにします。
次にスライダックを徐々に上げながら監視します。最初はAC10Vにして、これまでの電圧確認したところを監視し、異状がなければ、スライダックの電圧を徐々に上げてゆきます。
AC20V、30Vとゆっくり上げながら各電圧を監視確認し、50V付近で一旦止め、煙がでないか、焼けたようなにおいがないかを監視し、異状なければゆっくりAC90Vまで上げてゆきます。異状があれば、直ちにスライダックの電圧をゼロにし、原因を調べます。
AC90Vで止め、電圧や部品に異状が無いか監視します。
AC90Vにしたのは、PTが無負荷状態に近いのでDC電圧が高く出ないようにするためです。
順調に進めばこの段階で最初の通電チェックができたことになります。